「お釈迦さまの
ものがたりU」

えほんより


中川 晟



野村 玲

発 行 所
本願寺出版社


(2)
オウムは

なかまに、いいました。

「おい! みんな、目(め)をさませ。

ここを、にげださないと

たいへんなことに、なるぞ」


そういわれても

なかまたちは

しらんかおで

おなかいっぱい

おいしいごちそうをたべ

ぶくぶくと

ふとっていました。


「おいしいたべものが

目(め)のまえにだされても

しんぼうするのだ。

いっしょに、ここをにげだそう。

たいせつな、いのちじゃないか」


オウムは、なかまたちに、そういいつづけ

とりごやのまわりに、はりめぐらされた

あみの目(め)の、おおきさを、はかっていました。

からだは、まいにち

すこしずつ、やせていきました。


そして、ある日(ひ)

やせほそったからだが、するりと

あみの目(め)を、くぐりぬけました。




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