心に残る一言

誰かと比べて、「私は、なんてダメなんだろう」と落ち込んだり、逆に、「私は、あの人に比べれば優秀だ」と自惚れてみたり。このようなことは、誰にでもあることだと思います。
また、人生が自分の思い通りにいかない時には、「私の人生は失敗だ。もう終わった」と落ち込んだり、逆に、自分の思い通りにいつている時には、「私の人生は成功だ。私は人生の勝者だ」と調子に乗ったり。このようなことも、誰にでもあることだと思います。
私たちは、自分や他人に対して、「優れている・劣っている」「賢い・愚か」などと、自分勝手な評価をします。人生においても、「成功・失敗」などと、自分勝手な評価をしています。
ところが、仏さまから見たら、すべての人は、かけがえのない尊いいのちを生きている人なのです。そして、すべての人生は、私を私に育ててくれるかけがえのない尊い人生なのです。「すべての人が光り輝き、すべての人生が光り輝く」、そのような仏さまの世界(お浄土)に触れた時、その世界が私の人生を根底から支えてくれるのです。
僧侶であり、小学校教育に長く携わっておられた東井義雄さんの、「人間にクズはない人生にムダはない」という言葉は、まさに仏さまの世界から届いた言葉なのです。
合掌

龍谷大学非常勤講師 小池 秀章