おはなし

2018年12月のおはなし

ジャータカのえほん① さるの王さま

文:豊原大成 絵:小西恒光 出版:自照社出版

むかしむかし、インドのガンジス川を、大きな大きなマンゴーの実が、ながれてきました。
それをひろったひとが、王さまにさしあげました。
マンゴーの実をたべた王さまは、もっともっとたべたくなり、おおぜいのけらいをつれて、川かみへさがしにゆきました。
ヒマラヤの山の谷川のそばに、大きなマンゴーの木がありました。
たくさんのさるたちが、その実をたべてくらしていましたが、王さまのけらいたちが、弓を射たので谷川をとびこえて、にげました。けれども、力のよわいさるたちは、とびこえられません。
そのとき、さるの王さまは、むこうぎしの竹をからだにしばりつけて、谷川をとびマンゴーの枝をつかまえて、はしになりました。
よわいさるたちは、そのうえをわたってたすかりましたが、王さまざるは力つきて、谷川におちて、しんでしまいました。
このさるの王さまがのちに生まれかわって、おしゃかさまになったということです。