以前、「努力は人を裏切らない」という言葉に出会いました。この言葉は、「努力すれば、必ず自分の思うような結果が得られる。結果が出ないのは努力が足らないからだ。だから、もっと努力しなさい」という意味として受け取られがちですが、実はそうではありませんでした。
いくら努力をしても、思うような結果が出ない時はいくらでもあります。人生において、その方が多いくらいです。では、その時の努力は無駄だったのでしょうか。そんなことはありません。思うような結果が出なかったからといって、努力そのものが無駄なのではありません。努力したという事実は決してなくなりません。自分の中に、努力したという事実は残ります。その事実は、決して自分を裏切ることはないのです。
すべての努力は、思うような結果が出た時も、出なかった時も、私を私に育ててくれる大切な人生です。私が私として輝けるよう、いのちいっぱいに生きたいものです。
(※この言葉を、「結果はどうでも、努力さえすればいい」と、安易に受け取らないでください。そんな気持ちで、いい加減な努力しかしなかったり、結果が出なかった時の言い訳にしたりすると、その意味が変わってしまいます。)
合掌
龍谷大学非常勤講師 小池 秀章