みなさんは、悔いのない人生を歩んでいますか?人生に悔いを残さないようにしようと思っていても、過去を振り返ってみると、「あの時、こうすればよかった」「あの時、なぜ、あんなことを言ってしまったんだろう」などと、後悔することがたくさんあるのが、私たちの人生ではないでしょうか。
しかし、いくら後悔をしても、人生をやり直すことはできません。やってしまったこと、言ってしまったことは、取り消しはできないのです。
では、過去のことはどうしようもないのでしょうか。実は、そうではないのです。以前、梯實圓先生から、次のような言葉を聞かせていただきました。
「過去を変えることはできないけれど、過去の意味は変えることができる」
過去の事実を変えることはできません。しかし、その事実の持つ意味、つまり、それをどうとらえるかということについては、今、変えられます。例えば、過去の失敗(だと思っている)の事実は、絶対に変えられませんが、それがきっかけで、次の人生が開けてきたと受け止めることができれば、その過去の事実は失敗ではなく、尊い意味を持つ人生だといえるのです。
過去のすべての人生は、この私を育ててくれた大切な人生だと受け容れ、今をいのちいっぱいに生きたいものです。
合掌
龍谷大学非常勤講師 小池 秀章